仕事内容を家族に説明する

家族との会話

お正月は例年通り、義実家に帰省していました。そこで義弟妹達とゆっくりお酒を飲みながら雑談していたのですが、その中で僕の仕事の話題になりました。

転職すること自体は早々に伝えてはいたものの、どういう仕事になるかというのはまだ話していませんでしたので、今回初めて説明することになりました。

 

とりあえずそのまま伝えてみる

ひとまず、さらっとそのまま「クラウドに関連する仕事で、コンサルとか開発とか色々やねー」と伝えてみたものの、こちらの業界と関わりのない皆さんには全く伝わりません。まぁそうでしょうね…これで伝わるとはこちらも思ってません(笑)

 

ぼくの前職の仕事については「地震とかあったらお知らせするようなものを作ってる、最近災害も多いから大変ね」という感じでなんとなく理解してもらえたのですが、クラウドインテグレーターというかそもそとクラウドとはなんぞやを分かりやすく端的に伝えるにはどうしたらいいのかと考え込むことになったわけです。

 

クラウドとは

さて、原点に立ち戻って「クラウドとはなんぞや」を考えます。色々な表現があったり諸説別れるところはあるかと思いますが、私の中ではこのように捉えています。

 

  • 利用者はリソースを所有せず、利用する
  • リソースの利用状況に応じて課金され、必要なときに必要なだけ即座に利用できる
  • 大規模に分散並列化されていて、大きなリソースプールと高度な耐障害性を有する(但し、使い方次第の部分はあるので理解して利用しないといけない)

 

これに当てはまればクラウド、そうでないものは偽物…というつもりはないですが、世の中でクラウドと呼ばれているサービスは概ねこの基本特性を有しているとは思います。

 

次に、この3つの項目を義弟妹に説明するためのたとえ話を考えていきます。

 

所有しない

 

「所有しない」とはどういうことでしょうか。義弟にそのまま伝えると「え、僕はパソコンもスマホも持ってるよ?それをレンタルするってこと?」と言われそうです。

もちろん違います。とはいえ、「リソースを所有しない」という言葉はなかなか伝わりにくいです。

一瞬「物理的なサーバを持たないんだよ」と言おうかと思いましたが(この表現も「リソース」というものの一部をざっくりとしか表してないので、今度は多少分かってる人に対して語弊があるのですが…)、そもそも一般の人には「サーバ」というのが伝わりません。

ということで、ここではこんな具体例での説明を考えてみました。

 

  • スマホに保存した写真をバックアップしたいと考える
  • 一つの手として、USBストレージを買ってきてスマホに挿してバックアップを取ることができる(以前義弟は分からないままにキャリアショップでUSBストレージを売りつけられてた…)。これが「ストレージというリソースを保有する」という考え方
  • 対して、買ってこなくてもネットの向こう側にiCloudGoogleのソフトを使って(やや語弊あるけど分かりやすさ優先の表現してます)バックアップをとることができる。これがクラウドの考え方

 

うん、これなら実際にスマホを使っている義弟妹には伝わりそうな気がします。コンピュータ(PC)自体という大きな単位でなく、「ストレージ」(もっと言うとバックアップという「サービス」)というリソースを借りるという感覚も伝えられそうな気がします。この話に沿って次の説明を試みます。

 

必要なものを必要なだけ

 

次はこの特性です。これはこの話になぞらえるとこんな感じでしょうか。

 

  • ストレージを買ってくると、最初に大きなお金が必要だし、店舗に行って買ってくる時間と手間がいる
  • 本当は1GB位しかデータ無いのに、店で売ってるのは一番小さくても2GBからで、ムダな気がした
  • 途中で足りなくなったらまたその時に買いに行く手間と大きなお金がいる
  • クラウドならボタン一つで必要な量だけをすぐに借りられる。月額費用はかかるけど、最初に大きなお金はいらない。足りなくなったらボタン一つで容量も増やせる

 

まあ、USBストレージくらいの価格だと月額ですぐに足が出そうとかクラウドには無料枠もあるとかバックアップなら数GB位ならiCloudでもGoogleドライブでもお金かからないよねとか言い出すと面倒なのであくまでたとえ話ですが、これなら実例として伝わりそうな気がします。うんうん。

 

対故障性

ストレージだと「大規模並列」はちょっと伝えにくいので「大規模分散による対故障性」に絞ってみます。

 

  • ストレージを買うと、それが壊れるとバックアップもダメになる。バックアップのバックアップをするのか?
  • クラウドに預けたデータは、世界中の沢山のストレージにコピーが置いてあって、全部一度に壊れることはないので安心

 

これは伝わりやすそうですね。盗難とか紛失とか火事とかも絡めて話すとさらに良さそうです。

 

まとめ

スマホを使ってる人にはこれでなんとなく伝わりそうな気がします。あとはその上で「今までディスク買ってバックアップしてた企業にクラウド使うこと勧めたりする感じで、業務のシステムをクラウド使うようにするにはどうするかをお手伝いする」なんて言えば伝わるかな?

 

 

…と、ここまで約10秒「えーっとね…」と言いつつ脳内で考えてさて説明するぞーと思ったら、

 

義弟「細かいとこは分からんけど、うちの電算部門が相談に行くようなとこのお仕事なんやね。これまでみたいに休みなく働くようなことないなら良かったよ」

 

と、自分の知りたかった要点を自分で理解してくれたようでした。クラウドとか細かいことは伝えなくても、家族間だとその位のことが伝わってれば十分というオチでした(笑)

 

そして、人に説明するときには相手が求めていることを理解してそれに合わせた説明をしないといけないね、ということを改めて学習したのでした。