2026年9月26日、JAWS-UG KYUSHU QUEST 2026 in Fukuoka が開催されました。
本イベントは、JAWS-UG(Japan AWS User Group)の九州各支部(福岡、佐賀、大分、熊本、長崎、鹿児島)が一堂に会して主催したイベントです。
今回は、イベント当日の内容よりも、このイベントがどのような考えから企画され、どのように実現していったのか、そして今後の継続的なコミュニティ運営にどう繋げていきたいのかについて紹介します。
以下、いつものように文体を変えてお届けします。
JAWS Festa 2023 in KYUSHU
JAWS Festa 2023 in KYUSHUは、コロナ禍を経て4年ぶりに開催された、全国規模のJAWS-UGのイベントである。詳細は別記事に譲るが、個人的にも世間的にも(と僕は信じている)大成功であった。
このイベントでは「九州のつながり」をテーマにしていたが、そこから実際に熊本支部や長崎支部、鹿児島支部のリブートが実現した。
この一連の流れを、Festaの実行委員長だったあべたくが非常に上手く言語化し、「ひとりよりみんなで!」という言葉を使って多くのイベントで皆さんに共有していた(以下資料はJaws Festa 2025 in Kanazawaでの発表資料)。
Festaを通じて生まれたつながりが、各地のコミュニティの活動につながっていったのである。
ただ、こうしたつながりを一度きりのものにせず、どう維持していくかということも考えていた。
九州キャラバンという奇跡
2025年の1月~2月、九州の各支部がそれぞれにイベントを開催していたが、ふと気がつくと各支部のイベントが重ならず、毎週末のように並んでいた。そして、その最後が3月のJAWS DAYS 2025になっている。
誰も示し合わせていない(先に日程を決めた支部があったからずらしたということはあったかもしれないが)のに、この並びはまるで計画されたかのように美しく、九州全体でのコミュニティの連携を象徴しているかのようであった。
これはもう何か名前を付けるしかない、と思い立ち、僕はJAWS-UG九州のコアメンバーが集まっているSlackチャンネルで「九州キャラバン - Road to JAWS DAYS 2025 -」という名前を付けることを提案した。即座にみんな賛成してくれた。みんなノリが良くて大好きだ。
そして名付けのセンスに首をかしげた人がいたとしたら、それは全面的に僕の問題なので、どうかご容赦いただきたい。
名前を付けたとはいえ、それで特に何かが変わるわけではない。各支部のイベント開催時に「九州キャラバンの一環で、これだけのイベントをやってるから他の支部にも行ってみてね」と声をかける程度である。
しかし、この小さな意識の共有が、九州全体でのコミュニティの連携をより強固なものにしていったと信じている。
そして、実際には「2月にあと2ヶ所埋まればカレンダーが綺麗に埋まるんだけど・・・」と言ったら即座に埋めてくれた沖縄支部には感謝しかない。彼らのおかげでキャラバンは完成したと言っても過言ではない。
なお、次の機会である「九州キャラバン - Road to AWS Summit 2025 -」の時には、ちゃんと調整しながらカレンダーを埋めていった。
佐賀支部のコアメンバーのしばおさんの言葉を借りるなら「偶然を仕組みに変える」ということになる。言語化が的確すぎて嫉妬を覚える。
偶然に生まれた各支部の連携を、次からは意図的に作り出す。この経験は、後のQUESTの構想にもつながっている。
胎動
このキャラバンの発案は偶然に支えられたものではあるが、その裏側で、(確か)2024年頃から考えていたことがあった。
思いつきをあべたくと雑談レベルで話し、他の人にも飲みながら喋っているくらいのレベルではあるが、「リブートした支部の支援の一つとして、年に1回くらいは九州全体で集まるイベントを開催できないか」というアイデアである。
発想としては、JAWS-UG四国の4支部(香川、愛媛、徳島、高知)が合同で開催しているイベント「クラウドお遍路」がモチーフになっている。同じように、北陸地方の各支部が開催している「JAWS-UG北陸新幹線」というイベントもあるので、決して突飛なことでもオリジナリティのある話でもない。
同じような形で、何か九州でもできるといいんじゃないか、というところである。
これをやってみたいと思ったのには色々な理由があるが、以下のようなことを考えていた。
Festaでのつながりを再現したい
Festaでは九州各地のメンバー(支部運営者だけではなく、イベントに参加する人も含む)が一堂に会し、そこでつながり、仲良くなることで支部のリブートや活性化につながった。
JAWS-UGには地域を超えた交流の機会として、以下のようなものがある。
- JAWS DAYS(東京で開催される全国規模のJAWS-UGイベント)
- JAWS Festa(全国の各支部が持ち回りで開催する地域密着型のJAWS-UGイベント)
- AWS Summit(AWSが主催するクラウドカンファレンス。近年は6月頃に幕張メッセで開催されている)
しかし、九州のメンバーがこうしたイベントに参加するのは、地理的な制約や予算などの関係もあって難しいことも多い。
もちろん、全国規模のイベントに参加する価値は非常に大きい。しかし、それだけに頼っていては、地域を超えた交流の機会が限られてしまう。
そこで、年に1回程度、九州各地のメンバーが集まるイベントを九州で開催できないかと考えた。
Festaで生まれたようなつながりを、偶然や数年に一度の大きなイベントだけに頼らず、継続的に生み出せるようにしたかったのである。
運営ノウハウを共有したい
リブートしたての地域や、あまり活発に活動していない地域の運営の方々が、他の地域の運営ノウハウを学び、自分たちの地域に取り入れる機会があるといいかと考えた。
現在でも、リブート時はもとより、日常的な運営においても、九州のメンバーは相互に学び合い、支え合っている。
しかし、1つのイベントをみんなで運営すると、より実践的なノウハウの共有が可能になり、地域全体の運営力向上につながるのではないだろうか。
実際、全国イベントの運営に参加することで得られるノウハウは非常に多く、地域の運営力向上に大きく寄与している。
一方で、いきなり大きなイベントの運営に手を上げるのが不安な人もいるだろう。気心の知れた九州の合同イベントであれば、もう少し気楽に参加できるのではないだろうか。
イベントを開催することそのものだけでなく、その過程で運営に関わる人が経験を積み、各地に持ち帰っていくことにも価値がある。
そして、それぞれの支部が少しずつ運営力を高めていけば、九州全体のコミュニティもより強くなっていくのではないかと考えた。
連携を示す何かが欲しかった
よく全国のJAWS-UGのメンバーから「九州の支部って仲がいいよね」と言われるが、これを具体的に示す何かが欲しかった。
九州全体で一つのイベントを開催すること自体が、その象徴になるのではないだろうか。
もっとも、ぶっちゃけていうとMedia-JAWSとかが自分たちのパーカーを持っているのが羨ましかったから、九州でも作ろうぜ!くらいの軽いノリだった。
雑すぎる。
しかし、同じ名前のイベントやロゴ、グッズなど、みんなで共有できるものがあると、地域を超えた一体感にもつながるのではないだろうか。
「持ち回り開催」という考え方
とにかく「継続的に実施すること」と「みんなが自分事として考え、主体的に関わること」が重要である。
単純に人の集まりやすさや利便性、もっと言えばイベントの規模を確保するのであれば、福岡や熊本で開催するのが妥当と言える(他の地域の皆さんごめんなさい)。
けど、それじゃ駄目なのだ。
例えば、毎年福岡でやるからみんな集まってね!では何も変わらない。
だからこそ、「毎年同じ場所で開催するのではなく、九州各地を巡る形で開催する」という形にすることが重要である。
開催地が変われば、中心になって動くメンバーも変わる。それぞれの地域が自分たちのイベントとして関わり、他の地域のメンバーがそれを支える。その地域のJAWS-UGメンバーはもとより、場合によってはAWSを知らなかったり、エンジニアコミュニティに参加したことがない人も巻き込んでいく。
こうした経験を重ねることが、各支部の運営力向上と地域のエンジニアコミュニティ文化の発展にもつながると考えた。
イベントにかこつけてあちこち旅行したいだけじゃないのかと言われたら、まぁそうかもしれないが、そのノリがコロナ禍以降のFestaをはじめ、全国のJAWS-UG地方支部の活性化に一役買っているのも事実だと思う。
金沢のふぁらおさんも同じことを言っていたから間違いない・・・と主張の責任を人にぶん投げておく。我ながらずるい論法である。
「省力化」という考え方
Festaを再現したいのなら、Festaをやるのが一番手っ取り早い。しかし、Festaは例年全国各地の支部で手を上げたところが開催する。九州全体で毎年同じ規模のFestaを開催するのは現実的ではない。
そして、なによりも、Festaの規模を毎年なんてやりたくなかった。既にDAYSとFestaもあるのに、同規模のものを新たに作って毎年地方で回すなんて正直辛すぎる。どう考えても継続するわけがない。
繰り返すが、今回考えているのは「いかにして各支部が継続的にコミュニティ運営できるか、それを支えていくか」である。
そのためには、とにかくみんなが気楽に、省力で回せる仕組みを作ることが重要である。
もちろん、大きなイベントを開催することには価値がある。
多くの参加者が集まり、多様なコンテンツや交流の機会が生まれる。運営する側にとっても、普段の支部勉強会では経験できないようなことを学ぶ機会になる。
しかし、大きなイベントを毎年開催することを前提にしてしまうと、各支部の負担が大きくなり、継続が難しくなるのではないかと考えた。
今回の目的は、イベントを年々大きくしていくことではない。
各支部が無理なく、主体的に関わりながら、継続的に活動できる環境を作ることである。
そのためにも、イベントの規模は開催地の事情に合わせて柔軟に変えられるようにしたかった。
全体構想
ここまでの考えを踏まえた上で、イベント全体のイメージを考えていく。
具体的なところは後回しとし、僕はこういう表現をしていた。
- 毎年1回、支部持ち回りでイベントをやる
- ただし、各支部の負担が大きくなりすぎないように工夫する
- 各支部は、少しだけいつもより大きめの会場を準備して、合同イベントの名前で集客する
- 難しかったらいつも通りの規模でもいいから、とにかく合同イベントの名前で開催する
- グッズは1回作ったものを使い回すので、毎回新たに作る必要はない
このくらいであれば、みんなが気楽に参加でき、省力で回せるのではないだろうか。
グッズも「SUZURIで売ってるから欲しい人は自分で買ってね」という形にして、スポンサーを募るような手間を省く。
コンテンツはみんなで毎年考えるが、難しかったら公募セッション+LTくらいでも構わない。
もちろん、開催地のメンバーがもっと大きなイベントに挑戦したいのであれば、それもいい。大切なのは、その規模を毎年維持することを前提にしないことである。
とにかく、同じ名前のイベントが毎年九州各地で開催され、地元のメンバーが主体的に動き、それをみんなが支えるという形を作れればいいのではないか。
そういう構想をし、みんな(主にあべたく)に話していった。
思いつきを若い人にぶん投げているだけとも言える。相変わらず酷い大人である。
日程確定
キャラバンがDAYSとSummitのたびにちゃんと継続している一方、こちらはなかなか進まない。忙しいのもあって、やるやる詐欺状態が1年以上続いた。
さすがにそろそろ形にしたい、とあべたくと話し、2026年早々に「とにかく日程と場所を決めて、走り出してから考えよう」と決めた。
雑すぎる。
けど、そのくらいのノリで動く規模でちょうどいいのだと思う。
3月のJAWS DAYS 2026の前後だったかと思うが、9月26日で行こうと決定。
6月はSummit、7月はSORACOM Discovery、10月はSORACOM UG Explorerの運営で僕が動けない、11月はFestaがある、12月はre:Invent・・・と考えると、もうその辺しか空いていない。
みんな(主に僕)がイベントを詰め過ぎである。そして、空いているところに詰めていくからますます詰め過ぎになる。
こんなことするから奥さんに怒られるのだと分かってはいるのだが。
なお、今年はさらに9月の頭にJAWS SONIC 2026もあったので本当に詰め過ぎた。ごめん、来年こそは自重する(毎年言ってる)
会場確定
日程が決まったので、会場を考えていく。
前回Festaの際にお借りした福岡工業大学や、地元QTnetさんが運営されている会場などを検討していたところ、あべたくが「大名ガーデンシティのMoney Forwardさんの会場が借りられそう」と言ってきた。
さすが過ぎる。最高。
数回やり取りし、基本路線としてMoney Forwardさんの会場を借りる方向で進めることになった。
しばらくして、あべたくが「あ、Money Forwardさんと同じフロアにKINTO Technologyさんも入ってて、そこも借りられそうなのでお願いしてきた」と言ってきた。
複数の会場があれば、ハンズオンやBuildersCardのような体験型コンテンツも同時に実施できる可能性が広がる。
これは面白い。さすが過ぎる。
が、ふと気がついた。
省力設計 is 何。
とはいえ、せっかくなのでそのまま進めることにする。
若い人の頑張りを見守るのも大人の役目というと聞こえはいいが、実際は何も考えていないのかもしれない。
登壇者手配
次は登壇者の手配。
とりあえず話を聞きたい人を挙げていくが、あべたくが「DevOpsエージェントの話が聞きたいのでフォージビジョンの山口さんを呼びたい」と言ってきた。
僕も興味があるので、山口さんに声をかける方向で進めることにした。
ちょうどその頃、GW明けに「JAWS-UG おおいた×SORACOM UG 九州コラボ会!」を実施した。
こちらもあべたくと「そろそろ久しぶり(前回が2018年)にSORACOM UGとのコラボを大分でやりたい」と話していたので、二つ返事で進めたイベントだった。
その会場で、AWSJのコミュニティマネージャーの沼口さんと話していて「こういうことを考えて9/26に福岡でイベントをやろうと思ってるんですよねー」と話したところ、「お、スケジュール空いてるからそれ行くわ」とその場で参加表明。
フッ軽過ぎて痺れる。
沼口さんに来ていただけるのであれば、AWSのコミュニティ施策関連の内容で登壇を依頼できそうである。
さらに6月になり、AWS Summitに参加すると、基調講演開始前にプレス席にASCIIの大谷さんを発見。
あべたくと二人で挨拶に行き、「こういうことを考えて9/26に福岡でイベントをやろうと思ってるんですよねー」と話したところ、「今のところ空いてる、いけそう」と言われたので、その場でせっかくなので何か登壇をお願いできません?と話した。
イベント全体の設計はもちろん、日取りと場所しか決まっていないのに登壇者が豪華に決まっていく。
来年以降の人たちがこれを見て、イベント設計や登壇者手配で頭を抱えるのではなかろうか。
継続性 is 何。
まぁ面白いことになってきているので、とりあえず突っ走ろう。
イベント準備始動
あとは早めにconnpassページを作って募集をかけて、裏でロゴのデザインやグッズの手配をしていくか・・・と思っていたが、8月くらいまで僕もあべたくも忙しすぎて全く回らない。
特にあべたくに負担が集中していて、ちょっとまずい状態だったが、僕もあれこれ忙しく、サポートに手が回らずにいた。
そこに清家さんさん登場。
そろそろ巻き込まねばと思っていた矢先に、自分から巻き込まれに来てくれて、「九州のイベントって結局どうなってんの?」と聞いてくれた。
そこから説明会の段取りをしたり、足りないところを整理したりして、みんなを巻き込んで進められるところまでドライブしてくれた。
さすがJAWS DAYS 2026実行委員長。最高すぎる。
当初は僕とあべたくが中心となって話を進めていたが、ここから徐々に、九州各支部のメンバーがそれぞれの得意なことを持ち寄る形になっていった。
今回のイベントで実現したかった「みんなで運営する」という形が、ようやく本格的に動き始めたのである。
怒濤の準備期間
この時点で8月中旬。省力設計を目指してとは言ったものの、さすがにお尻に火がついている。
まず、タスク管理のBacklogはしばおさんがガンガン整理してくれた。
さすが本職(彼はNulabの人)。最高すぎる。
しばおさんはそれ以外も空いているタスクをどんどん拾ってはこなしてくれた。しごでき過ぎて痺れる。
大急ぎでconnpassページを作る。タイムテーブルを埋めながら、全体のイベント設計を同時並行で進める。
KINTO Technologyさんのサブ会場はDAYS/Festaなどでいうお祭りトラック的なものとし、鹿児島支部の山ちゃんさんに一任。
ぶん投げただけとも言う。酷い大人だ。
8月末にとりあえず募集開始。
募集を開けた瞬間に、公募セッションがFusicさんからの3件で埋まってしまった。さすがである。
清家さん(Fusicの人)は「社内には何も言ってないですけどね、すいません・・・」と言っていたけど、埋まってくれたことがありがたい。
ロゴのデザインは、Festaの時にデザイン班で八面六臂の活躍を見せた佐賀支部の松尾(ジョン)さんにお願いした。
こちらのやり取りはあべたくとジョンさんで進めていて、気がついたら超かっこいいロゴができていた。

最高すぎる。
SUZURIの準備もジョンさんがやってくれ、9月早々にグッズの販売ページが公開された。すぐに自分の分と登壇者の分のTシャツを購入。
招待講演をお願いしていた山口さん、沼口さん、大谷さんをFacebook Messengerのグループに招待して、登壇内容の調整開始。進んでいるか心配した清家さんも入ってくれた。
大谷さんが参加できなくなったとのことだったので、急ぎ別案を検討。
最終的に、connpassの参加者一覧に札幌支部のみうみうと愛媛支部の影浦さんがいるので、パネルディスカッションで行こうと決定。
なお、みうみうは別途9/3に福岡に来ていたので、一緒に来られた杉本さんとすずけんをお迎えして、9/3にもJAWS-UG福岡を開催している。
イベント詰め過ぎである。
こうして振り返ってみると、準備が進んだのはそれぞれの得意分野を持つ人たちが、自分たちで役割を見つけて動いてくれたからこそである。
九州各地の運営メンバーがつながっていることの強さを、改めて実感することになった。
ただ、当初目指していた「省力化」が実現できていたかというと、正直かなり怪しい。
本番直前の追い込み
9月中旬になり、いよいよ準備もラストスパート。とはいえ、やることがまだ山積み。
ラストとは。
パネルディスカッションの内容の調整、現地視察、タイムテーブル確定、懇親会の手配、当日のスタッフ配置など、とにかくできていないものをBacklogに整理したり、Slack上で声をかけたりして進めていく。
会場の現地視察は、9/11にDeveloper Summitに向かうついでに、しばおさんと僕で行ってきた。レイアウトや機材、会場利用上の注意事項などを確認した。
受付のフローを確認し、参加者に首から下げてもらう名札と、懇親会参加者のリストバンドを手配。
名札の紙のデザインは佐賀の美鈴ねーさんが秒で作ってくれた。最高。
当日のオープニングを喋るのは、いつメンではない方が良いだろうということで、長崎支部の紫苑さんにお願いすることにした。
何とかこれで本番を迎えられそうである。
運営ノウハウを共有するのが大きな目的だったはずなのに、こんなドタバタでよかったのか。
参加者も増員を2回行い、それでも申し込みが満席になる状況だった。
嬉しい反面、想定より大きくなりすぎていて、来年以降のプレッシャーにならなければ良いのだが。
本番当日
当日はあいにくの大雨。
そして僕が急遽午前中の所用で動けず、現地の準備に行けないという想定外のことに。
とはいえ、現地には歴戦の猛者が揃っているので、きっと何とかなっていると信じる。
なんとか午前の用事を済ませて現地に向かい、開始ギリギリに飛び込めた。
会場の準備も当日の進行も滞りなく進み、無事イベントも盛り上がって終了できたので、大成功と言っていいだろう。
個人的には、これだけ短い準備期間で、これだけの規模のイベントを実現できたことに非常に満足している。
何より、これが実現できたのは九州各支部のメンバーが互いに協力し、それぞれの力を発揮してくれたからこそである。
パネルディスカッションの終盤には、パネラーである鹿児島支部の新山さんに「来年は鹿児島でいいですよね?」とぶん投げて、来年の開催地も決定。
「Yes」or「はい」or「喜んで」の3択しか選べない状況で話を振るあたりが相変わらずずるい大人である。
こうして、初回のQUESTは無事終了し、次回の開催地にもバトンをつなぐことができた。

最終的に参加申し込み73名中61名が参加(出席率84%)、そしてそのうち懇親会参加者が43名(参加率70%)だった。大雨で足下が悪い中、素晴らしい数字であった。
あと、個人的には懇親会を祝いめでたと手一本で締められたので、コロナ罹患で当日参加できなかったFesta 2023の雪辱を晴らすことが出来たと思う。長かったが、ようやく僕のFesta 2023は終わった気がする。
今回の成功を、次回の負担にしたくない
今回のQUESTは、当初の構想から考えると、ずいぶんと大きなイベントになった。
2つの会場を使い、豪華な登壇者をお迎えし、多くの参加者に集まっていただくことができた。
これだけのことを実現できたのは、素晴らしい成果だと思っている。
しかし、ここで改めて考えておきたいことがある。
今回の規模を、来年以降の基準にはしたくない。
大きなイベントには大きなイベントの価値がある。
実際、今回のパネルディスカッションでも山口さんから「もっと大きなイベントを目指してほしい」という趣旨のお話があった。
それはそれで、僕も素晴らしいことだと思う。
大きなイベントの運営に関わることは、運営メンバーにとって非常に良い経験になる。参加者にとっても、より多くのセッションや交流の機会が生まれることには大きな価値がある。
開催地のメンバーが「次はもっと大きなイベントにしたい」と考えるのであれば、ぜひ挑戦してほしい。
ただし、イベントを大きくすること自体を目標やKPIにしてしまうと、継続が難しくなるのではないかと考えている。
今年よりも大きくしなければならない。少なくとも今年と同じ規模を維持しなければならない。
そう考えるようになってしまうと、開催すること自体のハードルが上がってしまう。
例えば、他の支部が「福岡であれだけの規模で開催したのだから、自分たちも同じくらいやらなければ」と考えて、開催をためらうようになってしまうかもしれない。
あるいは「これだけの規模のイベントを毎年開催するのは大変だから、2年に1回にしよう」という話になるかもしれない。
それでは本末転倒である。
そもそも、QUESTは毎年大きなイベントを開催するために企画したのではない。
九州各地のメンバーが定期的に集まり、交流し、互いの運営ノウハウを学び合う機会を継続的に作ることが目的だったはずである。
だから、大きく開催する年があってもいいし、小さく開催する年があってもいい。
開催地によって事情も違えば、運営に関われる人数も違う。各支部が自分たちのやりたいことや、できることに合わせて考えればいい。
普段の支部勉強会に少し毛が生えた程度の規模でも、十分だと思っている。
むしろ、そうした形でも毎年続けられることが、このイベントの強みになってほしい。
規模を大きくすることは選択肢であって、義務ではない。
今回の成功が、次回以降の最低ラインになってしまうことだけは避けたい。
イベントを大きくすることと、コミュニティが強くなることは、必ずしも同じではない。
参加者が増え、イベントが華やかになっても、そのために一部の運営メンバーが疲弊したり、次の開催をためらったりするようでは、長期的なコミュニティの活動にはつながらない。
逆に、イベントの規模が小さくなっても、新しい人が運営に参加したり、各支部のメンバーが互いに協力し合えるようになったりするのであれば、それはコミュニティにとって大きな成果ではないだろうか。
引き継いでいきたいのは、今回のイベントの規模ではなく、九州各地のメンバーがつながり、互いに支え合いながら運営していくという考え方なのである。
ただし、これはあくまでも現時点での僕の考えであり、QUESTを立ち上げるときの思いでしかない。
逆に、この考え方に縛られて、みんなが本当は大きなイベントに挑戦したいのに我慢するようなことになっても良くない。
コミュニティは自由であり、そこに参加する人たちのものである。
僕が考えた当初の構想も、今後のQUESTのあり方を決めつけるものではない。
その時々に参加し、運営する人たちが、自分たちのやりたいことを考え、楽しみながら形にしていければ、それでいいんだと思う。ただ、それが継続してほしい、と望むばかりである。
まとめ
今回の九州QUESTは、準備期間から本番まで、多くの人々の協力によって成り立ったイベントであった。
参加された皆さんからは概ね好評をいただいているし、個人的にも初回としては非常に満足できる結果だったと思う。
特に、九州各支部のメンバーがそれぞれの得意分野を持ち寄り、一つのイベントを実現できたことは大きな成果である。
一方で、最大の目的の一つであった運営ノウハウの共有が本当にできたのか、正直まだ分からない部分もある。
実際、今回は経験豊富なメンバーの力に頼った部分も大きかった。結果的に当初目指していた省力設計から離れてしまった部分もある。
ただ、それぞれのメンバーが他の支部の人たちと一緒にイベントを作り上げた経験は、今後の活動にもつながっていくのではないかと思う。
この経験が各支部の運営にどう活かされていくのかは、これから見ていきたい。
振り返ってみると、Festaで生まれた九州のつながりが各支部のリブートにつながり、九州キャラバンでは偶然に生まれたイベントの連携を継続的な取り組みに変えてきた。
そして今回のQUESTでは、九州各地のメンバーが定期的に集まり、ともにイベントを運営する機会を仕組みとして作ろうとしている。
まさに、しばおさんの言う「偶然を仕組みに変える」という取り組みの一つなのかもしれない。
もちろん、一度開催できたからといって、その仕組みが完成したわけではない。
今回のイベントが成功したことと、QUESTという取り組みが成功したかどうかは、また別の話である。
これから先、開催地を変えながら、それぞれの支部が無理なく主体的に関われるイベントとして続けていけるか。
そして、そこで得られた経験やつながりが、九州全体のコミュニティの活動を支える力になっていくか。
その答えは、来年以降の活動の中で見えてくるのだと思う。
一度の大きなイベントを成功させることも素晴らしい。しかし、僕が今回目指したかったのは、それを何年も続けていける仕組みを作ることである。
イベントはまだまだ始まったばかり。
来年は鹿児島、その先は九州のどこになるのだろうか。今回は未参加だった沖縄支部も巻き込み、そして宮崎支部がリブートして再び活動を始めることができれば、さらに多くの地域でQUESTが開催されることになるだろう。
それぞれの地域らしいQUESTが続いていき、そして数年後にまた福岡で2周目のスタートイベントを開催できることを楽しみにしている。



























